性病(STD)は自然治癒する病気ではありません。医師による性感染症(STD)診断、治療はお早めに。
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HIV(ヒト免疫不全ウイルス)によって感染した病気を、HIV感染症と言います。
この病気が進行すると、AIDS(エイズ)を発症します。
性的接触により性器、肛門、口などの粘膜や傷口からHIVウイルスが体内に入って感染します。主な感染源は、感染者の血液、精液、膣分泌液、母乳などですが、わずかながら唾液などからにも、感染する可能性があります。また、近年では、麻薬や覚せい剤のまわし打ちで、感染した症例も多く出ています。
母親から子供に、妊娠中に子宮内の胎盤から感染させてしまう事や、分娩時の産道を通過する時に感染させてしまう事や、出産後の授乳時に感染させてしまう可能性もあります。(これらの事を略して、母子感染と言います。)その為、妊娠初期からHIV検査を行い、感染している場合は、病院(婦人科)で予防策を講じます。
HIVの初感染症状は、感染してから1~4週後位で、発熱、リンパ節腫脹、咽頭炎症状、倦怠感、発疹、筋肉痛、関節痛、下痢、頭痛などがみられます。ちょうど風邪症状にも似ています。このためHIV感染のリスクを意識していなければ、普通の病気として見逃され症状も自然に軽快してしまいます。また、この初発症状に関しては、全員に出る訳ではありません。
その後の慢性感染期では、初期のうちは免疫状態も保たれ、基本的に自覚症状もありません。この時の免疫状態(HIVの進行状態)の指標が少なくなってくると、健康な状態では感染症を起こさないような病原体(弱毒微生物・非病原微生物・平素無害菌などと言われます。)が原因で、エイズを発症する状態になります。多くの人は、生命を脅かすような状態になって初めて自分がHIV感染者である事実を知ります。
感染の機会があってから1ヶ月経過すると検査が可能となります。HIV感染症の診断は、血液検査(HIV抗体)で行われます。抗体検査にはスクリーニング検査と確認検査があります。簡易的な検査方法として、スクリーニング検査という方法がありますが、約1%位の確率で、擬陽性と出る事があります。
抗HIV薬を3~4種類用いて、延命治療が出来る様になりました。ただ、体内のウイルスを完全に無くすという治療ではなく、ウイルスの増殖を阻止し、突然変異による薬剤耐性の出現を抑える目的となります。また、長期的に規則正しく内服して頂く事や、副作用が強い事が、多少ネックとなります。
3剤以上の抗HIV薬を組み合わせて服用する多剤併用療法が今日のHIV感染症の標準治療法です。日本でも3-4剤が1錠になった合剤が2013年から使用可能となり1日1回1錠という治療が一般化しました。治療の目的はウイルスの増殖を阻止し、突然変異による薬剤耐性株の出現を抑える事となります。副作用が強く出る事もあり状態によっては、入院治療となる場合もあります。
※当院では検査のみになります。治療はHIV治療の専門機関にご紹介させて頂きます。
男性、女性ともに不妊症の原因になる場合があります。特に女性の場合、妊娠期に感染していると、流産や早産の原因に。さらに、子供が感染して産まれた場合、肺炎や失明の原因になったり、死にいたることもあります。必ず妊婦検診を受けましょう。また、HIV(エイズウイルス)に感染する可能性が通常の3~5倍高くなると言われています。性感染症(STD)は放置していると、最悪の場合、死に至ることもある恐ろしい病気です。自分とパートナーのためにも、定期的に検査を受けるようにしましょう。