性病(STD)は自然治癒する病気ではありません。医師による性感染症(STD)診断、治療はお早めに。
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クラミジアはグラム陰性球菌に類似した細菌として分類されています。人に感染し、性感染症の原因となるものはChlamydia Trachomatis(トラコマティス)です。
クラミジアは性行為で感染します。性行為以外の場で感染することはありません。クラミジア感染者との性行為は50%以上の確率で感染するといわれています。また男性に比べ女性の方が感染率は高くなります。またクラミジアは性器の他に咽頭にも感染します。クラミジアの感染はHIVへの感染率が3~5倍に増加すると言われています。潜伏期間は1~3週間です。
尿道内でクラミジアが増殖し、尿道炎の症状を引き起こします。
典型的な症状は、感染の機会があってから、大体3日目から14日目位後に、尿道の痒み、違和感、軽い排尿痛、尿道口より透明の排膿が出るといった自覚症状があります。(無症状の人もいらっしゃいます。)
症状が余り強くないので様子を見ていると、2~3週間で症状が治まる場合がありますが、クラミジアが治癒したのではなく尿道内に潜伏しているので、知らない内に、パートナーに感染させてしまう場合が多々あります。
そして、更に放置された場合は、クラミジアが逆行し、精管から精巣上体にまで達し、副睾丸炎を併発する場合もあります。この場合は、睾丸全体が腫れて大きくなったように感じるときもあれば、睾丸の近辺にシコリができ、受診する人もいます。
初感染際は、殆ど自覚症状がありません。(90%の女性が無症状です。)よって自ら病院に行かれる事は、殆どありません。ですので卵管障害や卵管性不妊が判明して、はじめて診断されるケースもあります。
症状がある場合は、帯下の異常、性交痛、下腹部違和感などあります。更に放置された場合は、クラミジアが膣から子宮頚管まで達し子宮頚管炎、卵管周囲炎、骨盤腹膜炎、肝臓周囲炎など、原因不明な腹痛になる事もあります。
また男性のクラミジア感染症に比べて症状が軽度ですが、合併症や後遺症が大きいのでより注意が必要です。
クラミジアの有無は、顕微鏡では確認出来ませんので、男性の場合は、クラミジアPCR法でクラミジアの検出を行い、女性の場合は、子宮頚管や膣から分泌物を採取し、クラミジアPCR法でクラミジアを検出して診断します。
血液検査に関しては、クラミジア抗体を測定して感染の有無を診断する事は可能ですが、過去にクラミジアに感染したかどうかの検査となりますので、現在感染しているのかは分かりません。
男女共に、クラミジアの感染は無症状の人が多くいらっしゃいますので、クラミジア感染症は増加傾向にあります。 日本では、HPVを除くと、感染者数が一番多い性行為感染症(STD)です。国内での感染者数は100万人以上といわれ、特に10代後半から20代にかけての感染者が多くなっています。 一般的に、男女とも健常成人のクラミジアの保有率は3~5%といわれており、それほどまれな感染症ではありません。またクラミジアが眼に入る事がしばしばあり、目に入った場合は、眼球結膜炎を起こし、眼の充血や眼の痒みや眼ヤニなどの症状が発症します。
基本的に抗菌薬を1週間程度、服用すれば完治しますが、二次感染を起こしている場合は、注射を併用して治療をする場合もあります。
男性、女性ともに不妊症の原因になる場合があります。特に女性の場合、妊娠時期の感染は流産や早産の原因になることもあります。感染が子供に影響してしまうこともありますので、必ず妊婦検診を受けましょう。またHIV(エイズウイルス)に感染する可能性が通常の3~5倍高くなると言われています。性感染症(STD)は放置していると悪化してしまうことも多く見られます。自分とパートナーのためにも、心配な時は検査を受けるようにしましょう。