トリコモナス感染症関するご質問｜中央クリニック性感染症総合検査・治療機関

トリコモナス感染症とは、トリコモナス原虫によって感染する病気の事をいいます。
男性の場合は、基本的に、尿道炎の症状を起こす事もありますが、無症状の方が多くいらっしゃいます。尿道からの感染だけでは、排尿により洗い流される可能性もありますが、トリコモナス感染を有する男性には、前立腺炎を有する方が多く、トリコモナスは本来、前立腺や精嚢などに棲息しており、尿道にでてくることで非淋菌性尿道炎の症状を呈するともいわれています。
女性の場合は、基本的に膣炎を引き起こします。ただ、20～50％の方は、無症候感染者といわれています。が、その３０％位の方は、6ヶ月以内に症候性になるといわれています。主な症状としては、泡状の悪臭の強い帯下（おりもの）増加と外陰，膣の刺激感，強い痒みとなります。

トリコモナス感染症の原虫は目で見えますか？

トリコモナスは、肉眼で見る事は出来ません。新鮮な分泌物を鏡検すると、白血球よりやや大きい程度の大きさとなります。

トリコモナス感染症は性交渉以外にもオーラルセックスでも感染しますか？

トリコモナス感染症は、オーラルセックスでも感染します。

トリコモナス感染症はコンドームをしてセックスしても感染することがありあますか？

トリコモナスは、性行為によって感染する事は明らかなのですが、性交経験のない女性や乳児でも感染が見られる事から、感染者がパートナーの場合は、コンドームだけでは予防出来ないと考えられます。

トリコモナス感染症はタオルやベッドから感染することもありますか？

トリコモナス感染症は、タオルやペットから感染する事もあります。また、トリコモナス感染症は、性行為だけでなく、身に着けるものや便器や浴槽を通じても感染します。

トリコモナス感染症は温泉やプールで感染することもありますか？

トリコモナスは乾燥には非常に弱いですが、水中では、かなり長時間感染する可能性がありますので、温泉やプールで感染する可能性はあります。

トリコモナス感染症の患部を直接手で触って、体の他の部位に触れた場合は伝染しますか？また、他人にも伝染しますか？

トリコモナスは、接触による感染が主ですので、十分に可能性はあります。また、他人の方にも同様な事がいえます。

トリコモナス感染症は女性に多いSTD（性感染症・性病）と聞きましたが、男性は感染しませんか？

トリコモナスは、女性で最も数の多い疾患だといわれていますが、男性にも感染します。

トリコモナス感染症は男性の自覚症状があまりないと聞きましたが、何かありますか？

男性のトリコモナス感染者の50％は無症状だといわれますが、長期間の観察では無症候であっても尿道分泌物や炎症像が非感染者に比べ多いといわれています。症状としては尿道炎があり、少量から中等量程度の分泌物を伴います。

トリコモナス感染症を放置しておくとどんな危険がありますか？

トリコモナス感染症を放置されると、膀胱炎・精巣上体炎、骨盤内感染症等の病気になります。

トリコモナス感染症は完治しますか？

しっかりとした治療を受けられれば、トリコモナス感染症は完治します。特に、女性の場合は、膣錠や軟膏による局所療法のみでは、感染病巣の広がり次第によっては、膣以外の隣接臓器に寄生しているトリコモナス原虫を完全に排除出来ないために、十分な治療効果を示さない事があります。このような場合には、内服薬による全身投与が有効となります。また、男性の場合は、内服薬を１週間～１０日服用いて頂きます。

パートナーがトリコモナス感染症になったといわれました。自分には何の症状も出てませんが、潜伏期間などありますか？

トリコモナス感染症の潜伏期間は、4日目から1ヶ月程度と幅広いです。また、トリコモナスに感染した場合、自覚症状がない場合も多くありますので、パートナーの感染がはっきりしている場合は、検査される事をお勧めします。

トリコモナス感染症はわきや肛門にも伝染しますか？

トリコモナスがわきや肛門に感染する事は、一般的にはありませんが、主に熱帯地方に分布し、人の腸管，特に盲腸に寄生する事があります。

トリコモナス感染症は男性間の性交渉では通常は感染しないと聞きましたが、本当ですか？

トリコモナス感染症は、男性間の性交渉でも感染します。また、トリコモナスは、性行為だけでなく、タオルの共有などの接触によっても感染します。

性感染症（STD）に気づかずにいると・・・

男性、女性ともに不妊症の原因になる場合があります。特に女性の場合、妊娠期に感染していると、流産や早産の原因に。さらに、子供が感染して産まれた場合、肺炎や失明の原因になったり、死にいたることもあります。必ず妊婦検診を受けましょう。また、HIV（エイズウイルス）に感染する可能性が通常の3～5倍高くなると言われています。性感染症（STD）は放置していると、最悪の場合、死に至ることもある恐ろしい病気です。自分とパートナーのためにも、定期的に検査を受けるようにしましょう。